ハードボイルド物件②孤独死ハウス
前回、勢いで物件購入の決断をした。
不動産屋はとても善良な男だった。
購入を悩む私には「宅建業法上、購入検討している人の背中を押すような行為はできない」とか、購入前にインスペクションを入れるべきだと言って自腹でインスペクションを行ってくれた。
また、当初は残置物撤去もしてくれない予定だったが、実際の今の所有者の僕がすべきだ、と言って自腹で残置物撤去も申し出てくれた(12万らしい)
印紙代や登記費用、今年の固定資産税も全て持ってくれた。
とても正直で善良な男だったので、安心して取引を任せたい。
今度は違う形でメリットを与えてあげたい、と思った。
7月。私は労働力投入すべく、無形資産軍(プロの大工、屋根業者、水回り業者など友人たち)を連れて孤独死ハウスを訪れた。
みんな材料費以外金はいらない、と言ってくれた。
ありがたいことだ。感動する。
雨漏りしていた箇所の屋根の補修はすぐに終わった。
しかし、感動もつかの間。大工の親方が発見してしまう・・・。
シロアリだ。
キッチン近くの柱と建具と床がスカスカだった・・・。
作業を中断してシロアリのように真っ白な頭を抱えて家路に着いた。
行われたインスペクション。シロアリ被害の報告なし。
確認する。契約書。
明記されている。瑕疵担保。
売主が宅建業者の場合、通常より不利な契約は結べないらしい。
瑕疵担保、シロアリ。バッチリ記載。
すぐにラインを送るも既読スルー。
善良な不動産屋を疑う気持ちが出てくる・・・。
しばらくして返信があった。よかった。
「明後日打ち合わせしましょう!」
さて、どんな話し合いとなるのか・・・。
1棟目:築80年。立地×シロアリ◯